NTC Newtechデータで未来をつなぐ

名古屋大学 太陽地球環境研究所お客様への導入事例をご紹介します。

-太陽地球環境研究で利用されているSupremacyⅡ RAID-

名古屋大学 太陽地球環境研究所は、1990年に旧空電研究所と理学部附属宇宙線望遠鏡研究施設を廃止・統合して設立された、全国共同利用の研究所です。その研究内容は、太陽と地球、その間の宇宙空間(これらを総称して太陽地球環境又は太陽地球系と呼ぶ)の構造とダイナミックな変動など、宇宙科学と地球科学双方に広がっています。ニューテックでは、太陽地球環境研究所にEvolutionⅡ SATA RAIDやSupremacyⅡ RAIDを、2010年度には、太陽環境情報処理システムの一部として、SupremacyⅡ RAIDおよびJBODで構成された物理容量384TBの大容量ストレージシステムをご導入頂きました。

 

名古屋大学 太陽地球環境研究所総合解析部門の草野完也教授は、太陽地球環境研究について以下のように説明しています。

 

左から、梅田隆行助教、草野完也教授

「太陽地球環境研究所は、太陽と地球の関わりを研究しています。太陽は太陽圏におけるエネルギーの源です。最近の研究では、太陽に現れる黒点の研究に力を入れています。太陽の黒点は、2013年にその数が多くなり、太陽地球環境に影響を及ぼす可能性があるといわれています。巨大な黒点の周辺では激しい爆発が発生することがあります。また、太陽から噴き出す太陽風は地球の周りの宇宙空間を大きく乱します。地球が大きな磁石であることはご存知かと思いますが、その磁場が太陽風と衝突することで大きな変化を受けるのです。その結果として宇宙空間中の磁場に蓄積されたエネルギーが地球の大気に降り注ぐことにより、極域にオーロラが現れます。また、太陽系の外からは高エネルギーの宇宙線が、太陽からは太陽風と呼ばれるプラズマが高速度(300km/s以上)で地球に流れていますが、地球の磁場は我々をそれらの放射線から守るバリアーの役割も果たしています。

 

これらの現象を解析するためには、太陽観測が重要となりますが、太陽の複雑な活動を予測することは非常に困難であるため、これまでは過去の観測状況からその変化を推測するしかありませんでした。しかし、我々の生活は人工衛星や高度な通信機器に大きく依存するようになってきました。太陽活動の活発化により太陽がしばしば爆発的にプラズマを放出した際に、電離層が乱れて地上の無線通信の故障などの影響が生じたり、高エネルギー粒子が人工衛星の回路にダメージを与えたりして、大きな社会的混乱を起こす可能性があります。実際に、これまで通信衛星やGPSなどが太陽面爆発によって一時的に利用できなくなったり、人工衛星が故障する事故が発生しています。そこで、こうした事態を防ぐために、信頼性の高い宇宙天気予報を近い将来完成させたいと考えています。太陽は11年周期で活動をしており、次回の極大期は2013年ごろと予想されます。今回の極大期に基本的な研究を完成し、次期極大期までには役に立つ予 測として実用化したいですね。」

太陽観測衛星SOHOによって観測されたデータをもとに再現された太陽コロナの磁力線構造

「また、これらの研究を行うために、スーパーコンピュータを用いて太陽爆発現象シミュレーション(MHD)研究も行っています。この計算は1000の3乗個の格子を利用する大規模計算です。右記の図は最新の太陽観測衛星がとらえたデータに基づく数値シミュレーションの結果です。こうした大規模シミュレーションを海洋研究開発機構の地球シミュレータで実施し、毎週15TBのストレージを名古屋大学との間でデリバリーすることで研究を進めています。」

 

太陽地球環境情報処理システムについては、技術審査を要する一般競争入札を経て2010年度に導入され、SupremacyII RAIDも同システムの一部として導入されました。同研究所ジオスペース研究センターの梅田 隆行助教は、同システムについて、以下のように説明しています。

 

「基幹業務サーバ群、ファイヤーウォール、ネットワーク、スーパーコンピュータ、ストレージ等から構成されている複合システムで、SupremacyII RAIDは研究所の共用ストレージとして機能しています。観測拠点が全国に8箇所あり(豊川、母子里、陸別、富士、菅平、木曽、鹿児島、佐多)、観測拠点サーバのデータが日常的にSupremacyII RAIDに取り込まれています。また、名大情報基盤センターをはじめとする全国のスーパーコンピュータで行ったシミュレーション結果をダウンロードして保存しています。」

弊社製品を導入するに至ったポイントは4点あったようです。梅田助教は、導入に至ったポイントを以下のように説明しています。

 

SupremacyII RAIDを制御する富士通サーバ

「SupremacyII RAIDは総論理容量で約300TBありますが、これを様々な研究手段を持つ各研究グループに大きな容量を割り当てることを考えました。300TBという巨大容量をストレージ1ボリュームで実現した場合はかなり高額になりますが、30TB以下の論理容量を持つ筐体を複数個用いて実現した場合、手ごろな価格帯になります。そこで、筐体あたり20TB以上の論理容量を得ることが出来ることに加えて、壊れにくくかつサポートがしっかりしていること、筐体の増設が容易で将来的な拡張性に優れていること、長時間アクセスが無い時に省電力モードに切り替わること。以上を選定のポイントにしました。また、実際に太陽地球環境研究所の各研究部門でニューテック製品を多用しており、実績と信頼性があることもあり、採用に至りました。」

 

また梅田助教には、弊社製品に対する要望も語って頂いています。

 

「InfiniBand等のスーパーコンピュータの高速ネットワークへの直結に耐え得るストレージを開発してもらいたいです。スパコンの高速化に伴い、得られるデータは年々大容量化し、数年後のシステムリプレイスでは、ペタバイトオーダーも十分に考えられます。日々大容量化するデータを直接処理するためには、転送速度の高速化が必要であり、国産メーカーであるニューテックには期待をしたいところです。」

 

また、最後に草野教授は、同分野の国立天文台との連携について、以下のように説明しています。

 

「名古屋大学と国立天文台は提携して、研究データの相互持合いを行うことになりました。東日本大震災以後、重要な研究データを特定の地域に偏って保存することは、非常にリスクが高いため、相互にレプリケーションを行うことで、どちらか一方の拠点が災害等で被害を被ったとしてもデータを保存しつづけることが出来ますし、データ復旧も容易です。特に東日本大震災以後は、意識が高まり、同じ研究を行っている国立天文台とデータレプリケーションを行うことになりました。名古屋大学、国立天文台それぞれに、ニューテック製SupremacyII RAIDを設置し、日々データのレプリケーションを行っていく予定です。」

(2011/11/2)

 

関連リンク
SupremacyⅢ RAIDシリーズ