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海洋研究開発機構 地球環境フロンティア研究センター 地球温暖化予測研究プログラムお客様への導入事例をご紹介します。

IPCCの報告に寄与したニューテックストレージシステム

海洋研究開発機構(JAMSTEC)/地球環境フロンティア研究センター/地球温暖化予測研究プログラムは、世界最大のスーパーコンピューターの一つである「地球シミュレータ」を利用して、CO2排出が地球温暖化に与える影響などの気候予測を行い、気候変動に関する政府間パネル(以下IPCC)にも貢献しています。2007年に発表されたIPCC第4次評価報告書では、

①気候システムの温暖化には疑う余地がない。人為起源の温室効果ガスの増加が、温暖化の原因である可能性がかなり高い。

②気候変化が世界中の地域の自然と社会に影響を与えている。

③適応策と緩和策を組み合わせることによって、気候変化に伴うリスクを低減することができ、適応能力を高める方法の一つは気候変化の影響への考慮を開発計画に導入することである。

2007年度ノーベル賞の賞状

など、温暖化に関する現状とその人為的要因の指摘、政策的な提言がなされました。そして、IPCCはその努力を評価され、アメリカ前副大統領アル・ゴア氏と共に(『不都合な真実』での環境啓蒙活動)2007年度のノーベル平和賞を受賞しました。

 

ノーベル平和賞受賞の一役を担った、地球環境フロンティア研究センターの時岡達志センター長は、以下のように研究内容を説明しています。

 

「まず、下記の2枚の図を比較して見てください。これは地表気温の変化をシミュレーションしたもので、上図が1991~2000年、下図が2051~2060年のそれぞれ10年平均を表しています。このシミュレーションでは、1900年頃の各地点の平均地表気温を基準に、気温が上がるところは赤色で示しています。2060年頃のシミュレーション結果では、2000年時点と比較して、温暖化が進んでいることが分かります。このように私達の大きな研究目的は地球変動、特に現在の世界的な問題である地球温暖化を、気候モデルを用いて、将来予測を行うこと、またそのためのよりよいモデルを開発することです。将来予測を行うために、海洋研究開発機構の『地球シミュレータ』を利用しています。実は科学分野において、計算機を最初に用いたのが気象分野でした。現在では、40年程前から始まった気候モデル開発を土台としてより高精度のモデルを開発し、温暖化予測計算を行っています。1988年の時点で30年先の予測を行うために10ヶ月の月日を費やしてきましたが、今や、地球シミュレータを用いた計算では、4倍の解像度で100年先の数値シミュレーションを行うために要する時間は、1ヵ月半です。まさにコンピュータの発達が私達の研究を促進してくれたと言っても過言ではありません。

 

1991~2000年

1991~2000年

 
2051~2060年

2051~2060年
提供:CCSR/NIES/FRCGC/MEXT

 

時岡センター長とシステム担当の瀬川様

先ほどの温暖化シミュレーションでは、大気・海洋・陸面統合モデルを用い、2100年頃に地球温暖化がどのように変遷していくかの数値シミュレーションを行いました。計算は、海洋を25km、大気を100kmのメッシュに区切って、3分単位で100年先まで予測します。2009年3月に稼動予定の次期地球シミュレータを使う新しいモデルでは、大気部分のメッシュの大きさがが約半分になるため、扱うデータの容量は現在と比較して8倍にもなる予定です。また従来の気候モデルにさらに生態系の変化、化学組成の変化も加えた「地球システム統合モデル」を用いて最大で2300年までの将来予測をする計画も持っています。地球シミュレータから日々膨大な量のデータが出力されますが、その保管庫として、ディスク装置やテープメディアなどのストレージにデータを保管しています。すべてのデータをディスク装置に残しておくと膨大な量となるため、通常、利用しないデータはテープメディアへ、またサイズを減らすなどしてディスクを有効的に利用しています。実際に、ここ数年で利用してきた貴社のストレージは、我々のモデル出力解析研究に重要な役割を果たしてきました。」

 

同研究グループで、システム管理を行なっている瀬川朋紀様は、ニューテック製品採用のポイントを以下のように語っています。 「ストレージシステムを採用する上で、私共は、信頼性、コストパフォーマンスを重視してきました。研究機関の1研究室で1年間に導入できる容量は限られているため、コストパフォーマンスは最優先事項です。私達の研究は、ストレージシステムの実容量によって決まるといっても過言ではありません。1年経てば、前年に購入したストレージシステムの約1.5倍の容量のハードディスクが登場してくるため、私共としても、研究データの蓄積状況を見ながらストレージシステムの増強を図ってきました。ニューテック社製のストレージシステムの費用対効果は高く、Confidence、Ultimate、Evolution、Supremacyの各シリーズのストレージを利用させて頂いております。特に、営業・技術の垣根を越えたサポート体制には満足しています。」

 

ニューテック製品搭載のラックキャビネット

サーバ・ストレージが年間に排出するCO2は、年々、増えており、データ容量の増加は地球温暖化を助長しているのが現状です。ニューテックでは、EvolutionⅡ SATAシリーズから、ストレージの消費電力を低減させる「低消費電力モード」の実装を始め、その後継機種であるSupremacy RAIDにも搭載しております。

 

2014年には、IPCCの第五次報告が行なわれる予定であり、「地球シミュレータ」から出力される大量の計算結果を蓄積および更に解析するための、大容量のストレージシステムが今後も必要とされます。

 

時岡センター長は、取材の最後に下記のように述べています。 「私達の研究は、サーバやストレージが必須といえる研究分野です。次期地球シミュレータの稼動を前に私達の研究グループはサーバを新規に調達します。サーバ及びストレージの増強により、モデルの高解像度化に対応できると考えています。また先にお話した地球システム統合モデルでは、2300年までをモデルで予測する計画と申し上げましたが、今から更に1000年先までの予想に耐えうるモデルも今後開発していく予定です。地球温暖化は、世界が抱える共通の【最大の政治課題】です。その地球温暖化を予測するために、ストレージは必要不可欠な【研究を支えるインフラ】なのです。」

 

(2008/11/11)

 

関連リンク
SupremacyⅢ RAIDシリーズ
SweeprStorⅣシリーズ