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Arcserve RHA 技術情報

NAKB000069:マスタ側のホストメンテナンス実行と再起動のスケジュール化設定方法

■概要

マスタ側の機器をArcserve RHA PowerShellを使用して、スクリプトとバッチファイルを活用し、指定日時にマスタのホストメンテナンスとサーバの再起動を実行させる方法について記述します。
この手順は、主に定期的な再起動が必要な場合などに有効な方法となります。

(前提条件)
Arcserve RHA PowerShellとコントロールサービスが同じ機器にインストールされている必要があります。こちらではレプリカ機器にインストールしています。

■対象製品

Arcserve Replication/High Availability 18.0

■内容

紹介する設定例は下記の環境を例に記載しています。

【テスト環境(例)】
OS:Windows Storage Server 2016 Standard
Arcserve RHA 18.0 SP3
マスタ:CloudyⅢ 2U/IPアドレス:172.16.91.4
レプリカ:CloudyⅢ 2U/IPアドレス:172.16.91.6(コントロールサービス&PowerShell)

【作業までの流れ】
1. Windowsログイン認証用のパスワード生成
2. スクリプトファイルの作成
3. バッチファイルの作成
4. Windowsタスク スケジューラの登録

1.Windowsログイン認証用のパスワードファイル作成
1-1. レプリカのサーバ上にてWindows PowerShellを管理者モードで起動します。

1-2. 起動したPowerShellに下記のコマンドを入力し、ログイン認証パスワードを生成します。

[コマンド]
read-host -assecurestring | convertfrom-securestring | out-file C:\pass.txt
(※xxx.txtのファイル名は任意の名前)

(例)

1-3. Administrator管理者のパスワードを入力します(コントロールサービスがインストールされている機器のパスワードを入力します。)
(例)

1-4. 指定した保存先に作成したテキストファイルが生成されます。

以上でパスワードファイルの作成は完了です。

2. スクリプトファイルの作成
2-1. クライアントPCなどでメモ帳を開きます。下記の構文をメモ帳にコピーして下さい。

[構文]
Add-PSSnapin XOPowerShell
  $pass = cat パスワードファイルのパスとファイル名 | convertto-securestring
  $mycred = new-object -typename System.Management.Automation.PSCredential -argumentlist Administrator, $pass
  Connect-XO コントロールサービスの機器IPアドレス(XO-Credential 管理者ID パスワード) http;
  Prepare-Reboot ホストメンテナンスするマスタのIPアドレス
  Disconnect-XO

2-2. 下記記入例を参考に必要個所を入力して下さい。
Add-PSSnapin XOPowerShell
$pass = cat C:\pass.txt | convertto-securestring
$mycred = new-object -typename System.Management.Automation.PSCredential -argumentlist Administrator, $pass
Connect-XO 172.16.91.6(XO-Credential Administrator !newtech1) http;
Prepare-Reboot 172.16.91.4
Disconnect-XO

2-3. 入力後、任意の名前でメモ帳を保存して下さい。
(例:ここではファイル名 hostmente.txt で保存しています)

2-4. 作成したテキストファイルはパスワードを作成した、レプリカ機器のサーバ上と同じ場所(パス)に格納します。

2-5. 格納したテキストファイルをPowerShellで実行できるようにするため、ファイルの拡張子を変更します。 .txt(変更前) → .ps1(変更後)

以上でスクリプトファイルの作成は完了です。

3. バッチファイルの作成
3-1. バッチファイルを作成するため、バッチファイルを実行するレプリカのサーバ上でメモ帳を開きます。

3-2. Windows PowerShellの実行ファイルがあるパスまで移動します。
Windows Server 2016/2019デフォルトパスは下記になります。
  パス C:\Windows\SysWOW64\WindowsPowerShell\v1.0\powershell.exe
  実行ファイルがあることを確認します。[powershell.exe]

3-3. メモ帳にPowerShellのパスと実行ファイルを入力します。
(入力例)
C:\Windows\SysWOW64\WindowsPowerShell\v1.0\powershell.exe

3-4. メモ帳に3-3.で入力した同じ行にスペースで区切り、続けてスクリプトファイルのパスとファイル名を入力します。

※ここでは、スクリプトファイルはCドライブ直下の hostmente.ps1

(入力例)
C:\Windows\SysWOW64\WindowsPowerShell\v1.0\powershell.exe c:\hostmente.ps1

3-5. ファイルに名前を付けて保存し、拡張子を.txt(変更前)→.bat(変更後)に変更します。

以上、ホストメンテナンスを実行するバッチファイルは作成完了です。

3-6. 次に、マスタの機器を再起動させるバッチファイルを作成します。
新規でメモ帳を開き、下記構文に従い入力します。

(構文)
set SERVER=サーバのIPアドレス
set USRE=管理者ユーザー名
set PASS=パスワード
net use \\マスタのIP /user:管理者ユーザー名 パスワード
net use \\マスタのIP /delete"
shutdown /m マスタのIP /r /t 秒数

/r 機器の再起動を示します。
/t 秒数 →OSがシャットダウンするまでの待機時間を秒数で入力します。

※ホストメンテナンスの実行時間を考慮して待機時間は180秒以上を推奨

(参考)
set SERVER=172.16.91.4
set USRE=Administrator
set PASS=WSS2016
net use \\172.16.91.4 /user:Administrator WSS2016
net use \\172.16.91.4 /delete"
shutdown /m 172.16.91.4 /r /t 180

→レプリカからマスタに対して、再起動の実行を行いOSは180秒間待機させる内容となります。

3-7. メモ帳の拡張子を .txt(変更前)→.bat(変更後)に変更し、任意の名前で保存します。

※作成済の[ログイン認証用パスワードファイル] [スクリプトファイル] [バッチファイル]の保存場所を変更する場合は、それぞれ各種パスを再編集する必要があります。

以上で再起動のバッチファイルの作成は完了です。

4. Windowsタスク スケジューラの登録

※バッチファイルを実行する機器で設定をします。(ここではレプリカ機器)
※ホストメンテナンスと再起動のタスク スケジューラを作成しています。
※実行順番はホストメンテナンス→再起動の順番で実行されるように作成して下さい。
※タスク スケジューラはお客様の運用方法に従い、実行時間等を考慮下さい。

【ホストメンテナンスのタスク スケジューラ】
1. Windows コントロールパネル→管理ツール→[タスク スケジューラ]を起動します。

2. タスク スケジューラを右クリック→[基本タスクの作成]をクリックします。

3. タスクの名前を入力します。(任意の名前)入力後、[次へ]をクリックします。

4. 実行するタスクの開始方法を設定して、[次へ]をクリックします。

5. タスクの操作実行は[プログラムの開始]を選択して[次へ]をクリックします。

6. プログラム/スクリプトに作成済の[バッチファイル]を登録します。

7.設定内容を再確認して、[完了ボタン] を押します。
8.タスクスケジューラ ライブラリ上に作成したタスクが存在することを確認します。

※F5キーで画面を更新して下さい。

9. 作成したタスクを選択します。右クリック⇒[プロパティ]をクリックします。

10. セキュリティ オプション[ユーザーがログインしているかどうかにかかわらず実行する]にチェックを入れて、[OK]ボタンを押します。

11. タスク実行のユーザーアカウントを聞いてきます。管理者ユーザーのパスワードを入力して下さい。

以上でホストメンテナンスのタスク スケジューラの設定は完了です。

【再起動のタスク スケジューラ】
1. ホストメンテナンス作成と同様にタスク スケジューラを右クリック→基本タスクの作成を選択します。

2. ウィザードに従い作成していきます。任意の名前を入力し、[次へ]をクリック。

3. タスクの開始日時を指定します。(ホストメンテナンスの時間よりも後になるようにして下さい。)

4. 再起動のバッチファイルは[プログラムの開始]になりますので、このまま[次へ]クリックします。

5. マスタを再起動させるバッチファイルを指定して[次へ]をクリックします。

6. 各設定の最終確認画面になります。問題なければ[完了]をクリックします。
7.タスク スケジューラ ライブラリ上に作成したタスクが表示されていることを確認します。

3. タスクの開始日時を指定します。(F5キーなどで画面を更新して下さい。)

以上で再起動のタスク スケジューラは作成完了です。

記載日:2021/07/27