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Arcserve RHA 技術情報

NAKB000017:
ディスクがいっぱいです のメッセージが出力され、シナリオが停止してしまう事象について

■概要

レプリケーション中に、レプリカ(複製先)のディスクがいっぱいというメッセージが出力されて、シナリオが停止する事象について記載します。

■対象製品

AArcserve Replication / High Availability r16.5
Arcserve Replication / High Availability 18.0

■内容

通常、レプリケーションは、マスタと同じファイルをレプリカにデータを複製しているため、両方とも、同じデータの使用量になります。
そのため、レプリカのみ肥大化することは通常ありません。
該当のエラーメッセージが発生した場合は、レプリカのディスク空き容量を確認して下さい。
確認後、ディスクの空きが十分ある場合は、下記に記載する設定等が要因になっている可能性が考えられます。

1.Arcserve RHAのシナリオ設定において、[レプリケーション中に削除されたファイルをレプリカで保持する]設定を行っている場合。

※下記の設定は、マスタでファイルを削除した行為はレプリカには反映させないため、削除したデータはレプリカには残り続けるため、次第に差分がでてくる形となります。

■回避、対策方法

  • ①対象のシナリオが動作中の場合は、停止させます。
  • ②レプリカのプロパティ ⇒レプリケーション中に削除されたファイルを保持する設定を[オフ]にする。
  • ③シナリオの設定を保存します。
  • ④レプリカの複製先データをすべて削除します。
    (※シナリオの設定 複製先がボリューム全体の場合(Dドライブ ⇒ Dドライブ)の場合はデータの削除は必要ありません。
    シナリオ実行時に、ボリューム全体をマスタにすべて合致させる同期処理が行われるため、マスタにないデータは自動で削除されます)
  • ⑤シナリオを実行させて、同期処理を行います。

2.マスタに書き込まず、レプリカに直接ファイルを書き込んでいる場合。

■回避、対策方法

  • ①レプリカで直接書き込んだファイルを手動で削除して下さい。
  • ②レプリカに直接書いたファイルがわからないなどの場合は、シナリオを停止させて、レプリカの対象となるデータ領域をすべて削除して下さい。
    ※シナリオの設定 複製先がボリューム全体の場合(Dドライブ ⇒ Dドライブ)の場合はデータの削除は必要ありません。
    シナリオ実行時に、ボリューム全体をマスタにすべて合致させる同期処理が行われるため、マスタにないデータは自動で削除されます)
  • ③シナリオを起動させて、同期処理を行って下さい。

3.マスタとレプリカでNTFSのボリュームのアロケーションユニットサイズ(クラスターサイズ)に違いがある場合。

例)
【マスタ】
Iドライブ:500GB
アロケーションユニットサイズ:4K

ファイル数:5000個(1ファイル約20KB)
サイズ:141MB(ファイルの容量)
ディスク上のサイズ:156MB(HDDのセクターに書き込んで使用されている領域)

【レプリカ】
Iドライブ:500GB
アロケーションユニットサイズ:64K

ファイル数:5000個(マスタからコピー)
サイズ:141MB(マスタと同じ)
ディスク上のサイズ:マスタ/156MB ⇒ レプリカ/312MB (アロケーションユニットサイズが異なることで、HDDの使用領域が増えている)

※ディスク上のサイズを合致させるには、アロケーションユニットサイズをマスタ、レプリカ共に同じにする必要があります。

■回避、対策方法

  • ①動作しているシナリオを停止させます。
  • ②レプリカの対象ボリュームをフォーマットします。
    フォーマットを行う際に、マスタのボリュームと同じアロケーションユニットサイズにします。
  • ③シナリオを実行させて、同期処理を実施して下さい。

4.レプリカ(複製先)でファイルサーバー リソース マネージャーにて複製先のフォルダにハードクォータを設定し、すでに使用率が高い状態にある場合。

・レプリカのDドライブに十分空き容量がある

・ファイルサーバー リソース マネージャーで共有フォルダをハードで制限しており、使用率が99%で空きがない状態である。

【回避、対策方法】

  • ①レプリカに設定しているクォータを解除する。
  • ②レプリカに設定しているクォータの制限幅を上げて、使用率が低くなるまで拡張する。
    (※クォータを利用し続ける場合、日々、使用率を監視して頂くことを推奨。いっぱいになった場合は、レプリケーションの動作が再度停止します)

記載日:2020/02/20