NTC Newtechデータで未来をつなぐ

グリーン化を中心とする業界キーワードとニューテックの取組みお客様へのRAID関連コラムをご紹介します。

本ページに記載された技術情報は記事が出稿された時期に応じて推奨システムに対する考え方や実現方法が書かれています。
したがって、最新技術でのシステム構築を前提とし、この情報を利用する場合、その記事が時代に沿わない内容となる事もありますので予めご了承ください。

 

IT業界で現在一番話題に上ることの多いキーワードが「グリーン化」です。
この背景には地球温暖化を含む地球環境保護への関心の高まりが挙げられます。一言で「グリーン化」といいますが、この中には大きく分けて3つの要素が含まれています。最初にIT機器に含まれる有害物質の削減。次にいわゆる3R(Reduce, Reuse, Recycle)を通じたIT機器への使用資源の削減。そして、消費電力の削減です。

 

有害物質の削減に関しては、EUが先行して基準作りを行い、有名なRoHS(Restriction of Hazardous Substances)指令が2006年7月に施行されたことによって、域内で販売される情報機器から鉛を含む有害6物質の大幅削減を達成しました。RoHS指令は本来EU域内で販売される製品に対する規制ですが、現在では当社も含め、世界中で販売されるIT機器の多くがRoHS指令準拠になっています。

 

3Rに関してもEUにおけるWEEE指令、日本での「容器包装リサイクル法」や「家電リサイクル法」などの法案によって、製造者のリサイクルへの関与が義務付けられる製品が増えてきました。当社も新製品Supremacyの設計に当たっては、従来製品よりも構造の簡素化を行うことで使用部材を削減し、また廃棄時にも分解しやすい設計になっています。

 

「グリーン化」の中でも、低消費電力化に関しては特に注目の集まる分野です。その理由としては、単に地球環境保護という側面以上に、エネルギー価格の高騰や、データセンター内設置機器の高密度化にともなう冷却能力の限界といった現実的で喫緊の課題が存在するからです。これらの課題に対して、単に機器の消費電力を低減させるという方策だけでなく、同じレベルのITインフラ機能(データ保護、システムの可用性確保、障害時のリカバリ時間の短縮など)をいかに少ない消費電力あるいはハードウェアリソースで効率的に実現するかといった、より高度な方策も考えられます。一方冷却の問題に関しても、主にファシリティー関係のベンダーで、ラックの水冷や、センター内におけるラックの配置手法など、様々な方策が考案されています。まず、ストレージにおける単純な消費電力の低減といった課題から見ていきましょう。ストレージ機器の主要構成部品で、もっとも電力を消費する部分がハードディスクドライブ(以下HDDとする)です。HDDも細かく見ていくと、いわゆるエンタープライズ向けと呼ばれる回転数やシーク速度の速いHDDがあります。エンタープライズHDDは主にFC(ファイバチャネル)やSAS(Serial Attached SCSI)インターフェイスを有しており、ディスクの回転数も10,000rpmから15,000rpmのもので消費電力も大きくなります。一方で当社製品として一番出荷台数の多いSATA(Serial ATA)インターフェイスを有するいわゆるニアライン向けと呼ばれるHDDは回転数も7,200回転でシーク速度も抑えてあるため、エンタープライズHDDに比較して消費電力も抑えられています。例えば日立GST製品で300GBの3.5"エンタープライズHDD(15,000rpm)と1TBの3.5"ニアラインHDD(7,200rpm)を比較すると、前者の消費電力が14.1W(FCモデル)であるのに対し、後者の消費電力が9.0Wですので、記憶容量あたりの消費電力比としては5:1にも及びます。また、前者と後者では価格も大きく異なり、高速なエンタープライズHDDはかなり割高で電気も消費するということになります。

 

エンタープライズHDDとニアラインHDDの仕様比較

種別 エンタープライズHDD ニアラインHDD
ホストインターフェイス FC、SAS、SCSI SATA
回転数 15,000rpm 7,200rpm
平均レーテンシ 2mSec 4.17mSec
平均シーク時間 3.6mSec 8.5mSec
最大媒体データレート 1441Mbps 1070Mbps
最大記憶容量 300GB 1TB
消費電力 14.1W 9.0W
消費電力/記憶容量 470W/TB 9W/TB

 

データベースや映像配信、トランザクション系など高い性能を要求されるストレージには高速なエンタープライズHDDを使用したストレージシステムを投入する必要がありますが、一方で生成から時間が経過し、参照頻度の下がったデータやバックアップ、アーカイブデータなどは安価だがあまり高速ではないニアラインHDDを使用したストレージシステムやテープデバイスの活用で十分です。データの属性(データの種類や参照頻度)によって最適なストレージを使用できるようにストレージスステム全体を設計することを、「階層化ストレージ」といい、データの属性によって最適階層のストレージに配置する手法のことをILM(Information Lifecycle Management)と呼んでいます。これらの手法を活用することで、効率的で消費電力も抑えたストレージシステムを構築することが可能になります。

 

ニューテックではエンタープライズHDDを使用した高速なストレージ製品から、ニアラインHDDを使用して容量単価を抑えたストレージ、さらにバックアップ用のテープデバイス、またテープデバイスをエミュレートして高速にバックアップを取れるVTLなど幅広いストレージの品揃えで、階層化ストレージを構築するユーザーをサポートしています。

 

また、ストレージの消費電力を抑えるために、ホストからアクセスがないときにHDDをより電力を消費しないモード、すなわちIdleモードやStand byモードに設定し、ストレージシステムの電力消費を抑える「低消費電力モード」を装備するストレージシステムも増えており、当社でも主力製品であるEvolutionIIシリーズやSupremacyシリーズで実装しています。一方、多少特殊な製品になりますが、通常はすべてのHDDの電源をオフにしておき、ホストアクセスのある時に初めてHDDの電源を投入して可動を開始するMAIDと呼ばれるストレージシステムも一部では使用されています。

 

「グリーン化」の流れの中で最近特に脚光を浴びているのが「仮想化」の分野です。仮想化にはサーバの仮想化とストレージの仮想化があり、どちらも重要な位置を占めています。VMwareなどの仮想化プラットフォームを利用してサーバの仮想化を行うことにより、サーバリソースの管理を効率的に行うことが可能になり、システムのピーク時と非ピーク時とで実稼動している物理サーバの台数を柔軟に変化させるような運用を行えば結果的に使用電力の削減につながります。また、サーバ仮想化の流れの中で、iSCSIインターフェイスを持つストレージの仮想化サーバへの親和性が脚光を浴びています。

 

ストレージ仮想化の概念図

一方ストレージの仮想化では物理的なストレージをストレージプールとして管理し、ストレージプールの物理記憶容量と、サーバに見せる仮想ボリュームとのマッピングを最適化して行うことで、ストレージの使用効率を向上させるとともに、柔軟なストレージ管理(物理ストレージのオンラインでの追加など)を可能にします。

 

ニューテックでは、VMware社とのアライアンスの中で「仮想化サーバ」用に検証された最適なストレージ製品群を提供すると共に、ストレージを仮想化するアプライアンスであるNRS(Newtech Replication Suite)を利用したストレージ仮想化ソリューションも提供しており、仮想化に対するニーズに総合的に応えています。

 

「グリーン化」にまつわる興味深い技術として、バックアップにおけるdeduplication(重複性排除)技術があります。最近では略して「ディデュープ」と言う用語も使われています。De-duplication技術では、バックアップされるデータをブロックごとのパターンで分析し、前にバックアップされたデータと同じパターンを検出した場合には、その該当ブロック部分は新たにバックアップせず、データベースに登録することで以前書き込んだデータと紐付けをします。このため、重複したデータパターンの記録を行いません。ニューテックが販売するデータドメイン・アプライアンスでは重複性排除技術と、データの圧縮技術を組合せることで、バックアップデータを約1/20に圧縮することが可能となります。

 

以上述べてきたように、ニューテックは現在ストレージを中心とするIT業界で話題になっているキーワードに対して幅広い製品のラインナップを揃えることで応えていくように努めています。

 

皆様に安心して任せていただけるストレージのパートナーとしてニューテックを捉えていただければ幸いです。

 

最新キーワードとニューテックのソリューション

(2008年4月掲載)