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北海道大学次世代ポストゲノム研究センターお客様への導入事例をご紹介します。

SweeperStorを利用したX線構造解析システム

北海道大学次世代ポストゲノム研究センター

糖鎖や脂質研究に基づく創薬基盤研究や機能性食品・素材の開発、疾患マーカーの探索研究を遂行するために設立された『北海道大学次世代ポストゲノム研究センター』では、文部科学省の先端融合イノベーション拠点形成事業「未来創薬・医療イノベーション拠点形成」、知的クラスター事業「札幌バイオクラスター構想“Bio-S”」、「ターゲットタンパク研究プログラム」などの大型国家プロジェクトが進行中であり、その成果に内外の期待が高まっています。

 

本研究センターには、「創薬科学基盤イノベーションハブ」「ポストゲノムタンパク質解析イノベーションハブ」「フォトバイオイメージングイノベーションハブ」「バイオミクスイノベーションハブ」の4つのハブが置かれ、研究院専任の教員と、他部局からの協力教員によって運営されています。また、本研究センターに隣接してシオノギ創薬イノベーションセンターが建設され、全国に先駆けて大学と民間企業が密接に連携した産学共同研究が展開されようとしています。

 

サーバ、ストレージ、バックアップシステムを一括して納入
 

ニューテックでは、北海道大学次世代ポストゲノム研究センター(先端生命科学研究院 先端生命分子科学分野 X線構造生物学研究室 田中勲教授)に、X線構造解析に必要な、サーバ、ストレージ、バックアップシステムを一括して納入させて頂きました。塩野義製薬(株)が持つ創薬と北海道大学が持つX線構造解析技術の産学連携により、次世代創薬への波及効果が期待されています。

 

製品構成としては、APC社製42Uラックキャビネットに、同社製200V対応の5000VA-UPSを1台、IBM製x3650を1台、ニューテック製高性能ストレージSweeper Stor(3TBモデル)を4台(計12TB)、TANDBERG DATA製大容量テープ装置Storage Library T40(容量:19.2TB圧縮時)を1台及びサーバとストレージとテープライブラリ間の接続を管理するQLogic製のファイバチャネルスイッチ(8ポート)を組み込み、X線構造解析用システムとしてご利用頂いております。

北海道大学向けシステム構成(接続方式)
 

今回導入したニューテック製品を上記研究に活用しておられる田中研究室の姚閔准教授は、彼等の研究について以下のように説明しています。

 

「私たちは、遺伝情報の発現に関与する分子群を対象にX線結晶構造解析法を使って構造ゲノム科学研究を実施しています。その研究を推進するために、タンパク質の立体構造を全自動で決定するためのソフトウェアの開発を行い、さらに機能解析から応用へと続く情報処理技術の開発を行なっています。

構造ゲノムプロジェクトの進展と共に、タンパク質の立体構造解析の最も有効な手段であるX線回折法は、大幅な迅速化が進められてきていますが、現在までに立体構造が解明されたタンパク質の数は、一次構造が決定されたものと比べると桁違いに少ないです。ゲノム解析の進展とともにその差はますます拡大しており、立体構造解析法のさらなる迅速化が要求されています。私達はポストゲノム時代にふさわしいタンパク質全自動構造解析システムを実現するため、アルゴリズムの開発、知能化システムの開発を行なっています。」

 

「平成18年に科学技術振興調整費に採択された本学の「未来創薬・医療イノベーション拠点形成」は、平成18年度から平成27年度までの10年間に亘る国家プロジェクトとして、内外から多くの研究者を集め、次世代医薬品候補化合物を連続的に創出する体制を確立することを目的としています。X線構造解析によるタンパク質構造解析技術などの創薬基盤技術の改良は重要な研究課題の1つとなっており、私たちは、協働会社として参画している塩野義製薬と産学共同で研究を進めています。得られた研究成果を基に次世代医薬品候補化合物の創製を実現したいと考えています。当研究室では、独自にサーバルームを持っており、UNIXサーバを利用してX線構造解析を行い、データを取得してきましたが、塩野義製薬との産学連携及び構造情報に基づく新規創薬技術の導入により、X線構造解析から得られるデータの大容量化は避けられない状況です。研究プロジェクト開始年度ということもあり、X線構造解析に利用するためのサーバ、ストレージ、バックアップシステムを一括して購入することを決めました」(北海道大学 姚閔准教授談)

 

ニューテック製品導入の大きなポイントとしては、「コストパフォーマンス、ディスクの信頼性、メンテナンスの対応性のよさ」であり、弊社からは、コストパフォーマンスかつ信頼性に優れるSweeper Storを提案させていただきました。Sweeper Storは、4Gbpsのファイバチャネルインターフェイスを備え、3Gbpsに対応したSASディスクを12台搭載しています。高度なBadBlockチェック機能及びアルゴリズム化されたRAID5機能、バッテリーの経年劣化に伴うバッテリー交換のコストを回避するためのキャッシュデータ保護テクノロジー、write時のパフォーマンス向上を図る高速キャッシュテクノロジー等、従来製品よりも信頼性に優れている機能を多々、持ち合わせています。またシステムの信頼性を確保するために、同じくファイバーチャネルで接続されたLTO3対応24巻入りのテープ装置を導入しました。これらのシステムを管理するにあたり、当研究グループは、IBM製のx3650(Intel Xeonデュアルコア搭載)を主

サーバとして運用しています。

 

今回の導入に際し、塩野義製薬社で複数のサーバ・ストレージベンダーが検討されましたが、最終的に「コストパフォーマンス、ディスクの信頼性、メンテナンスの対応性のよさ」に優れる弊社製品をサーバを含めて一括して導入していただくことになりました。また北海道大学だけではなく、他の国公立私立大学、国の研究機関、製薬会社等で弊社製品が利用されている実績があることも導入決定に当たっての大きなポイントであったようです。

 

導入事例インタビューに際し、姚閔准教授は、

「ニューテック製品は、信頼性が高いが、より安価で信頼性ある製品を開発して欲しい。またユーザーフレンドリーな製品開発、更には、昨今問題となっている地球温暖化に対処すべく、騒音、消費電力に配慮した低消費電力型のストレージの開発に一層力を入れて欲しい。特に私共の研究室のサーバルームと隣の居室は、サーバ/ストレージからの排熱の影響で冬は暖房が必要がないほど暖かい状況のため、少しでもこの問題をクリアにして欲しいですね」と最後に語っています。

昨年から地球温暖化に対する危機意識の高まりから、サーバ/ストレージ製品が年間に排出する発熱量が大きな問題となっております。今回の事例取材を通じて、ユーザーが従来製品よりも低消費電力型の製品を望んでいることが明らかになりました。新製品Supremacy RAIDシリーズにおいても、EvolutionII SATA RAIDシリーズ同様、低消費電力モードを備えています。またユーザーからの声に耳を傾け、常にユーザーの立場に立った製品の開発を行なっていく予定です。

なお、弊社では、ストレージの単体販売のみならず、ユーザーからの要望に応じてサーバやラックキャビネットとストレージを一括してご販売させていただくことも可能です。お気軽にお問い合わせください。

 

(2008/4/23)

 

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