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LANフリーでのバックアップお客様へのバックアップ関連コラムをご紹介します。

本ページに記載された技術情報は記事が出稿された時期に応じて推奨システムに対する考え方や実現方法が書かれています。
したがって、最新技術でのシステム構築を前提とし、この情報を利用する場合、その記事が時代に沿わない内容となる事もありますので予めご了承ください。

 

企業内の様々な情報が電子ファイル化される現在、1tb級を超えるストレージの導入も一般化しています。また、サーバーの冗長性確保と障害発生時のリスク分散に、メールサービスやWWWサービス、データベースサービスなどをサーバー毎に分ける分散サーバー化が進んでいます。こういった分散環境と大規模化したストレージに対するバックアップ一元管理とバックアップ時間の短縮には、SAN(ストレージエリアネットワーク)の導入が必須となります。

 

分散サーバー環境における大規模ストレージ管理

複数サービスをサーバー毎に分けて管理するにも、サーバー毎にRAID装置を設置するにはコストが大きくなり、また管理も複雑になるため、SANを利用したストレージ共有が一般化しています。これは、巨大なボリュームを持つRAID装置から、それぞれのサーバーに必要な分だけ容量を分配するもので、これによってRAID装置の冗長性の一元管理と、データバックアップの一元管理、および、バックアップ時間の短縮化を実現します。

図1の通り、従来の分散サーバー環境でのデータバックアップは、サーバーサービスを提供する側のLAN経由でのデータ転送になります。このためデータバックアップ中はLANのトラフィックが増大しサーバーレスポンスが悪化してしまいます。また、LANも主流の100Baseを考えた場合、その実効転送レートは7MB/seとなりますから、その環境で1日にバックアップできるデータ量は、ソフトウェアのオーバーヘッドを無視しても約600GBとなります。もちろん一日中バックアップのためにLANを使い続けるわけには行きませんから、このクラスのストレージ環境では実用的でないのが理解できると思います。

 

図1. 従来の分散サーバー環境でのバックアップ例

図1. 従来の分散サーバー環境でのバックアップ例
 

図2は、SAN環境でのバックアップデータの流れです。LAN上にはバックアップのための制御データ(ファイルの管理情報を獲得する制御)のみが少量流れます。また、実際のバックアップデータはSAN上でバックアップサーバーからダイレクトに読み込まれるため、サーバーがサービスを提供するLAN側にほとんど負担をかけることがありません。

 

図2. SANでのLANフリーバックアップ例

図2. SANでのLANフリーバックアップ例