NTC Newtechデータで未来をつなぐ

RAIDとは?お客様へのRAID関連コラムをご紹介します。

本ページに記載された技術情報は記事が出稿された時期に応じて推奨システムに対する考え方や実現方法が書かれています。
したがって、最新技術でのシステム構築を前提とし、この情報を利用する場合、その記事が時代に沿わない内容となる事もありますので予めご了承ください。

 

RAID(redundant Arrays of Inexpensive Disks)とは簡単に説明をすると廉価なディスクを使用して冗長性を持たせたシステムの事です。当初は性能を向上させる目的で開発されましたが、今日では信頼性を重視する傾向にあります。 RAIDにはその使用目的やメカニズムに応じて複数のレベルがあり、それをRAIDレベルといいます。レベルには経済性、性能、信頼性において相反するときもあります。しかしながら、RAIDといえども人的なミス、コンピュータウィルスやアプリケーションのバグ、または雷や地震などの災害による物理的な機器の損傷への対処は難しく、大切なデータはバックアップ装置に保存しておく必要があります。

 

●ソフトウェアRAID

データの読み書きに際して必要な処理をホスト側で制御を行なって実現しているRAIDシステム。パリティの生成等に本体側CPUを使用して行なうので、システムのCPUリソースが若干低下する場合があります。しかしながら、最近のCPUの性能は飛躍的に向上しており、CPU負荷があまり問題にならない程度になってきております。データの冗長性を持たせるために比較的安価に構築することができます。RAID0や1の場合に使用されるケースが多く、OSによっては標準で搭載している場合があります。

 

●ハードウェアRAID

専用のコントローラを使用してRAIDを実現しています。キャッシュメモリーの搭載でアクセススピードはソフトウェアRAIDに比べ格段に高速になっており、ホスト側のCPUにかける負荷もほとんどないためRAID5に最適です。

 

ハードウェアRAIDのRAIDレベルとは?

RAID-0

 

ストライピングと呼ばれ、データをストライプに使用するディスク台数分に分割し、分割されたデータはそれぞれのディスクドライブに書き込みが行われます。データを分割することによってスピードを得る分、1台に障害が発生するとすべてのデータが消失することになり、冗長性がありません。

 

複数のディスクへ分散して保存
 

RAID-1

 

2つ以上のディスクに対して同じデータを書き込みます。これによって1台のドライブに障害が発生しても他の1台で運用を継続することが可能です。しかし、コスト的には通常の倍のドライブが必要であり標準のシステムに比べ高価になりますが、障害発生時でもパフォーマンスを落とすこと無く処理が可能です。冗長性は非常に高いです。

 

二つのディスクへ同じ内容を保存
 

RAID-3

 

専用パリティによるストライピングで、RAID0に加え1台のパリティディスクによって障害発生時のデータの消失を防ごうとする仕組みです。RAID3の場合にはスピンドルが同期し、各ドライブのセクタに対し同時に読み書きを行なうシーケンシャルアクセスが高速であり、画像処理に適しています。その反面、ランダムアクセスは犠牲になり、データベース等の高いトランザクション処理が要求されるシステムには適していません。ディスク台数は必要とされる容量+1台ですむので安価に構築することが可能です。

 

RAID-5

 

RAID3とは若干異なりパリティドライブを特定せず、データとパリティ情報が循環パターンで、アレイにインターリーブされます。また、ドライブへのアクセスは非同期で行われるのでトランザクション処理が行なわれるシステムに適しておりランダムアクセスも高速です。その為、今日RAIDと呼ばれているシステムはほとんどの場合このRAID5の事を示しています。ディスク台数もRAID3と同様にN+1台で構築可能です。

 

複数のディスクへ分散して保存
 

RAID-10

 

ストライピングとミラーリングを組み合わせて、速度と対障害性を兼ね合わせたシステムです。対障害性も高く、申し分ないのですがやはりミラーリングを使用しているのでコスト面では割高です。別名 RAID 0+1とも呼ばれている。

 

ミラーセットをさらにストライピング
 

RAID-50

 

ディスクの多台数サポートの要求に対応するための構成。複数のRAID-5セットをストライピング(RAID-0)して、耐障害性の向上と大ボリュームを実現する構成。

 

構成 冗長性 パフォーマンス 経済性
RAID-0
RAID-1
RAID-5
RAID-10
RAID-50

※ 記号は良い方から順に、☆、◎、○、△、×

 

(1997年11月掲載)