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大容量ストレージ構築のポイントお客様へのRAID関連コラムをご紹介します。

本ページに記載された技術情報は記事が出稿された時期に応じて推奨システムに対する考え方や実現方法が書かれています。
したがって、最新技術でのシステム構築を前提とし、この情報を利用する場合、その記事が時代に沿わない内容となる事もありますので予めご了承ください。

 

ニューテックでは、RAID装置の開発、販売にとどまらず、お客様からの要望を具現化しようとしています。ワークステーションやPCサーバの外付けディスクとして始まったIDE-RAIDですが、その用途は多様化しています。数十TBのストレージ領域を確保したいというお客様からの相談も日常的になってきています。SCSI-RAIDやFC-RAIDと比較すると1/10~1/30までギガバイト単価が下がっているため、より一層、その利用方法は増えていきます。今まで贅沢で考えられなかった利用方法が現実のものとなり始めています。

その中、システム構築や運用段階で、今までは考えていなかった問題が出始め、ハードウェアベンダーであるニューテックに相談されるケースが増えています。ニューテックには、長年培ったノウハウがあり、多くの検証機で、これらの問題をOSベンダーやソフトウェアベンダーの協力の下、解決しています。ここでは、OSとディスクサイズ制限、ストレージボリュームのマッピングについて解説します。

 

IDマップとLUNマップとは?

大容量RAIDを使用するとき、ボリュームを分割して論理ディスクがホストに見えるようにしなければなりません。具体的には、IDやLUNにマップする必要があります。複数LUNに標準で対応しているOSは少なく、LUNマップするには、OS側設定が必要となるケースが多いです。IDマップでは、これらの設定が不要です。

 

IDマップとLUNマップとは?

大容量ストレージと親和性の高いOSは?

OSの64ビット化が進んできている現在、大容量ストレージに対応可能OSに関して整理します。SCSI(FC)接続の場合、次の制限事項があります。

 

1TBの壁

 

OSのアドレッシングの際に31ビット分のみ有効な場合、発生します。ディスクへはLBAアクセスをしますが、この際のブロックアドレスに31ビット空間しかない場合、2の31乗ブロックサイズ×512バイトで、約1TBまでが上限となります。この制限に該当するOSは、次のようなものがあります。

 

  • SRAPC Solaris 8 以前
  • X86 Solaris
  • Red Hat Linux 7.2 以前
  • Red Hat Enterprise Linux AS 2
  • Red Hat Enterprise Linux ES 2
  • Red Hat Enterprise Linux AS 3(IA64)
  • Free BSD 4.x 以前
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    2TBの壁

     

    SCSIバス上のアドレッシングが32ビットのため、1論理ディスクは、これを越えることができません。FCデバイスでも同様です。この制限は、SCSI規格のハードウェア面の問題で、すべてのOSで発生します。次のOSでは、注意が必要です。

     

  • ・SPARC Solaris 9
  • (1TB越えは可能ですが、特殊なファイルシステムになり、作成可能ファイル数に制限があります。)

  • Red Hat Linux 7.3
  • Red Hat Linux 8
  • Red Hat Linux 9
  • Red Hat Enterprise Linux ES 3 (IA32)
  • Fedora Core
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    2TB越え

     

    先述のとおり、SCSI(FC)ドライブの上限が2TBのため、2TB以上のファイルシステムを使うには、OS側機能のLVMやソフトRAIDを使用して複数論理ディスクを結合する必要があります。2TB越え対応のディスク結合機能と2TB越えファイルシステムのハンドリングが可能でなければなりません。

    OSによっては、カーネルの仕様で16TB対応としているものの、実際には、1TBのファイルシステムしか作成できないものもあります。ニューテックで確認した2TB越えで動作可能なOSは、次のようになります。

     

  • Windows 2000 Server
  • Windows Server 2003
  • SUSE Linux Enterprise Server 9(Novel)
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    (2004年11月掲載)